英会話クラスだより +

植物: スミミザクラ

さて、レイチェル・リンド夫人はマシューの謎を探るため、グリーン・ゲイブルズにやってきます。
マシューの妹のマリラにマシューが出かけた理由を聞きにきたのです。
マリラはダイニング・キッチンにいたのですが、勝手知ったるリンド夫人は裏庭を通ってやってくると裏口をノックして、返事を待ってはいります。
そこで、ダイニング・キッチンから見える外の様子が描写されます。


東側の窓からは、左の方の果樹畑に生えている満開の花で白くみえるの木と、小川のそばにあるくぼ地で風に揺られるほっそりとしたカバノキも見えたが、窓は絡みあった蔦の緑で縁どられていた。


この一文の中に描写されている植物、「桜」「カバノキ」「蔦」を順番に解説します。

まずは「桜」です。

アメリカ農務省によるとプリンス・エドワード・アイランドに生育している桜は3品種あります。ちなみにサクラ属には6亜属あり合わせて約100品種が存在がします。
その中で、プリンス・エドワード・アイランドに生育している桜は次の3品種:

  • スミミザクラ
  • ピン・チェリー
  • チョーク・チェリー

です。
かなり絞り込めました。

この桜はグリーン・ゲイブルズの果樹畑に生えています。サクランボをとるためですね。
すると、ピン・チェリーが候補から消えます。

3つのサクラの木は、どれも食用に適したサクランボを実につけますが、ピン・チェリーは昔から商用の価値はありません。あくまでも、自家用にジャムやジェリーや保存食を作るのに使われます。

これに対して、チョーク・チェリーは先住民の時代から貴重な食料源でした。ジャムやジェリーやシロップに使われます。ただし苦いので、かなりの砂糖を必要とします。
スミミザクラもその実は重用されます。英語では酸っぱいチェリー(sour cherry) というのですが、スープや豚肉料理、タルト、パイなどのデザート、リキュール、ドリンクなど何でも来いです。人によっては生で食べる人もいます(すっぱいですが)。

それでは、チョーク・チェリーか、スミミザクラかという事ですが、軍配はスミミザクラに上がりそうです。
満開の花で白くみえる桜だからです。

実はチョーク・チェリーやピン・チェリーは、花が咲いても満開で木全体が白く見えることはありません。(写真では3品種とも花をつけています)
やはり、ソメイヨシノと同じサクラ亜属のスミミザクラがグリーン・ゲイブルズの果樹園のサクラでしょう。

「桜」と読んで「ソメイヨシノ」を連想してもスミミザクラから大きくかけはられることはありませんが、やはり果樹という観点から考えると、少なくとも言葉の面では「スミミザクラ」とした方が良いのかもしれません。

(出版の際には他の表現と共に訂正されます)